第3章 【爆豪勝己】盲目をつきやぶれ
ブランケットは後日回収した。
バクゴーは学校の寮に戻る当日に遺失物拾得物窓口に立ち寄り、預けたらしい。
それを知った私は朝一番、人の少ない時間を狙って窓口を尋ねた。
「赤いブランケットってありますか?タグ付きの。バクゴーが預けたって聞いてるんですけど」
持ち主は私だと告げると失せ物担当の人は一瞬不思議そうな顔をしたが、何を言うわけでもなく返してくれた。
受け取ったブランケットを腕にかけて自分のデスクへと戻る。
バクゴーがしていたように布の橋を手繰り寄せて畳んだ。
元あった一番下の引き出しの奥にしまう。
もし次にバクゴーのうたた寝を発見することがあれば、同じように掛けてやろう。
目覚めた彼は一体どんな顔をするだろうか。
また持ち主でも探してくれるだろうか。
ああ、そろそろパトロールの時間だ。
早く支度をしないと、エンデヴァーさんとバーニンに燃やされちゃう。