第18章 【呪術廻戦】DOOR【2】
ザーッとテレビの砂嵐のように、目の前のチャンネルが切り替わる。
虎杖は一度だけ瞬きをした。
たった一瞬にして、今までいた屋上は夕暮れの教室へと移り変わった。
自分の手を見ると、先ほどよりも小さく背もまた縮んでいる。
どうやらここは中学校の教室の様だった。
一人ぽつんと夕暮れの教室に佇む虎杖。
静寂と赤い夕陽に、何故だかわからないけれど。
虎杖は寂しさを覚えた。
それと同時に懐かしさも。
この感情を人は一体何と呼ぶのか。
感傷に浸ろうとした虎杖だったが、急に廊下から騒がしい声と共に複数人の足音が虎杖の耳に届いた。
勢いよく開けられる教室の扉。
いつもの仲良しメンバーが大声を出しながら笑っていた。
「マイブラザー、どこに行っていたんだ?」
「え、いや……」
虎杖の姿を見つけると真っ先に東堂が彼の肩に腕を組んで、目を細める。
どこに行ったも何も、虎杖はずっとここにいた。
どこかに行ったのは4人の方なのに、と思いながらも虎杖はみんなの輪の中に入る。