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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第11章 【五条悟】死んだ方がマシだった【R18】






五条悟は、を連れて事務所の扉を開けた。
お疲れ様です、と部下が挨拶をする。

「お疲れサマンサ―。帰っていいよー」

どっかりと黒光りするソファーに腰を下ろし、五条はニコニコと人のいい笑みを浮かべた。

「五条さん、その人は?」
「商品志望の子だよ」
「へぇ……」

目の下に傷のある髪の毛をピンクに染めた男―――虎杖に簡単に返事をし、五条は長い足を組んだ。

は全員が出ていった入口の横にポツンと立っていた。
下を向き、服の裾をぎゅっと力強く握り締めている。

身長は150と少しくらいかな。
胸はEカップくらいありそう。
学生の時にスポーツでもやっていたのか、少し肩幅があるなぁ。
癖っ毛なのか猫っ毛なのか毛先が外に跳ねてる。
アーモンド形の二重に整えられた眉毛。
身なりはちゃんとしてるみたいだ。

「学生の時、何かスポーツでもしてた?」
「あ、はい……。水泳を……」
「へぇ……」

組んでいた長い足を解き、五条はの前に立った。
長身である五条は自然とを見下ろし、は五条を見上げた。
サングラスのせいで五条が今どんな目で自分を見ているか分からないが、振りかかる威圧にはカタカタと震えだす。
そんな彼女の右腕をぐっと引き、握り拳を作って腹へと突き出した。

腹部を殴られた衝撃に、がはっと前かがみにが崩れる。
その脇腹を更に革靴で蹴り飛ばした。

「がぁ、ゲホッ……!!……っ、う"えぇッ……」

腹を殴られせりあがる異物感に口を開けば、口から溢れだす吐瀉物。
何度も咳込んで何度も嘔吐いて床を汚した。
鼻の奥が酸っぱい匂いで満たされ、喉はひりひりと痛む。
零れ落ちる涙は吐瀉物と混ざり消えた。



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