第18章 【呪術廻戦】DOOR【2】
「俺だけじゃないでしょうよ、童貞は。あんたらだって童貞でしょうが」
「それは違うぞ、伏黒」
「そうだよ、恵」
と、東堂と夏油が伏黒に詰め寄った。
だが、五条と虎杖だけは伏黒に背を向けた。
それにいち早く気付いたのは、夏油である。
「あれ、悟と悠仁、どうしたんだい?」
「ん?いや、別にぃ」
「何ていうかぁ、傑さんも東堂も、早いんだなぁって」
「「ねぇー」」
顔を見合わせる二人のその様子に3人はピンときた。
この二人も童貞である、と。
自分の事を棚に上げてよく人の事が言えたな、と思う伏黒ではあったがこれでいじられるのは自分だけではないという安心感も生まれた。
夏油はニヤニヤしながら五条の肩に腕を回す。
それを払いのけながらも、親友の夏油が自分よりも早く卒業していることに少しばかり、いやかなりショックを受けた。
自分の方が絶対先だと思っていたばかりに。
顔面偏差値はハーバード大学並みの五条だが、性格偏差値は35以下を下回るGランクなために、彼女ができたとしても長続きはしなかった。
それに比べ夏油は顔もよければ中身もよかった。
と言うよりは猫を被るのがうまいため、モテ度は遥かに五条より上であった。
本性はあまり五条と変わらないが。
だからこそ五条はショックだった。そして気になった。親友の下事情が。
「傑」
「なんだい」
「後で詳しく聞かせて」
そんなやり取りをしながら、彼らはじゃんけんをして誰がソープに行くか決めようとしていた。
その時。勢いよく屋上の扉が開き、現れた生活指導の夜蛾の姿を見た5人は、一斉に散り散りとなって逃げ回る。
しかし数分後には、5人は捕まり夜蛾の説教と重たく鋭い鉄拳をくらったのだった。