第11章 【五条悟】死んだ方がマシだった【R18】
足が震えその場を動くことのできないに、真っ白い髪をした男が淡々と話を始めた。
どうやら、弟はキャバクラに入りびたりその挙句、店に多額の借金が出来てしまったという。
それを聞いたは今すぐにでも弟をぶん殴ってやりたい衝動に駆られた。
自分が家を出てから、素行が悪くなってきていると母親からは聞かされていた。
だけどそれは高校生特有の、イキっているものだと思っていた。
思春期だし反抗期なのかもしれない、と。
素行が悪いと言っても、遅刻や早退であったり髪の毛を染めたり夜遅くまでゲームセンターにたむろっていたりするもんだと。
今度帰省した時に、注意すればいいやと甘く考えていた。
その結果がこれだ。
ギリ、と唇を噛む。
親任せにせず、自分もきちんと見ていれば、お母さんの話を真面目に聞いていれば、自分から電話をして近況を報告しあっていれば。
後悔ばかりが先に立つ中で、はふと我に帰った。
最大の問題は過去の失敗ではない、この後に待っているものだ。
お金の話がでた、借金はいくらだろう、筋モノが絡んでいる中で、何とかなるのか───?