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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第10章 【狗巻棘】舞台、閉幕。






「じゃあ、私からな。ほい、この前欲しいって言ってたろ」

真希が先頭を切ってプレゼントを渡してくれた。
中身をみれば、花柄のタンブラーが顔を覗かせた。

「可愛い!!真希、ありがとう~!!」
「大事に使えよ」
「使うに決まってんじゃん」

真希に抱きついて、私はじっとタンブラーを眺める。
彼女の前でこれを欲しいと言ったのは随分前の事だ。
それを覚えていてくれたなんて。
こういうところマジでかっこいいと思う。

パンダからはパンダのぬいぐるみ、悟からはHOT LIMITの衣装、悠仁からはパチ屋のお菓子、野薔薇からはサボンのボディローション。
一部もらっても嬉しくないものもあったけど、私のために時間を割いてくれたと思えば、少し嬉しい。
けど。

「TMの衣装は流石に着れない」
「絶対似合うと思って買ったのに」
「明らかにふざけたろ」

いつどこで何のために着ろと言うんだ。
あれか、台風の中で歌えばいいのかこれ。
なんて思っていたら恵が私の腕を引いた。

「さん、誕生日おめでとうございます」

彼は小さな袋を目の前に出した。
綺麗にラッピングされた包装紙を解いて、中身を見れば。



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