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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第8章 【夏油傑】ひとでなしの恋【R18】





「つまり、私はのことが好きらしい」
「……ちょっと待って。話の繋がりがぶっ飛びすぎてスキップボタンでも押したのかと思った。……ごめん、なんて?」
「人の話しはちゃんと聞けって小学生のころ言われなかったのか?」
「これに関しては私悪くないでしょ」

至極当然の言い分であるが相手が悪い。
夏油は呆れたように息を吐いてこめかみを抑えた。
その仕草は完璧に人を馬鹿にしたようなものだ。

「話の繋がりも何も、私は君の事が好きだと言っているんだよ」
「告白されてるのに告白されている気が全くしない不思議。え、なに。要するに夏油が言いたいのは"たくさんの色んな女性と付き合ってきたけど、結局行き着く先はという女性である"ということで解釈あってる?」
「少しだけ違うかな。"たくさんの色んな女性と付き合ってきたけど、彼女がいない今現在、誰と付き合うか考えたとき頭の中に浮かんだのは身近な存在、という女性である"が正解かな」
「今すぐ私と歴代の彼女たちに土下座をしろ」

少しでも好かれているのかもしれないと胸を高鳴らせてしまった己を呪いながら、クズ過ぎる発言を悪びれることなくさも当たり前に言う同級生をぶん殴りたい衝動に駆られた。
もしここに家入硝子という同級生がいれば乾いた笑みを浮かべて「ウケる」と何一つ笑えないのに煙草をふかすに違いない。



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