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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第6章 【石神千空】人はそれを○○と呼ぶ【R18】






小鳥のように唇を啄み、何度も角度を変えて短いキスを繰り返しお互いの唇をすり合わせる。
思考が、酸素が、奪われていくような、そんな感覚。
息苦しさに耐え切れず口元が緩んだ瞬間、モズの長い舌が彼女の咥内にぬるりと侵入してきた。
歯列をなぞり、浅く深く、口の中を這うそれは、まるで生き物のように彼女の口内を犯していく。
お互いに舌を絡め、吸い上げ、そしてまた絡めあう。
絶え間なく聞こえてくる水音が聴覚を刺激する。
粘度ました唾液が二人の間を、細く長く光る銀色の糸のように紡ぐ。

「ん、ふ……っ、あ……」

漸く唇が離された時には、彼女の意識は朦朧としていた。
濡れる唇を手の甲で拭きとるモズはぐったりと横たわる彼女の姿を、うっとりとした瞳で見つめていた。
その様子を黙っていた氷月もまた、彼らの熱情に充てられ下半身が熱を帯び欲情していることに気が付いた。

「も……モズ、くん……。あの、モズくんっ……、あたっ、あっ……あたって、るんだけど……」
「うん、あててる」

ゆっくりと彼女を押し倒したモズはわざと彼女の下腹部に己の熱く固い欲望にをあて、ゆっくりと腰を動かす。
布越しでも伝わるソレに声が漏れてしまう。

「だめでしょちゃん。俺にキスされたくらいでそんなに蕩けちゃ……」
「そ、そんなこと……」
「してる。千空には一体どんだけぐずぐずにされてんだか」

モズは自分の着ていた衣服を脱ぐとそれを彼女の下に敷いた。
痛くないようにと気遣うその振る舞いは紳士そのもので、不覚にもきゅんとしてしまった。


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