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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第6章 【石神千空】人はそれを○○と呼ぶ【R18】






親身になって話を聞いてくれるモズに、彼女は自分の頑張りを吐露する。
千空に嫉妬してほしくて、独占欲をぶつけてほしくて彼女はありとあらゆる手段を取った。
千空と仲のいい司との距離をわざと縮めてみたり、わざと聞こえる様に名前を呼んだりしたが、千空は気に留める素振りどころかこちらを見ていない。
頬を膨らませぷんぷんと怒ると司は楽しそうに「いじらしいね」と笑った。
憐れに思うなら、代わりに千空に「彼女が寂しがってるよ」と言ってきてほしい。
なんて司に伝えてみるも彼は小さく首を横に振った。

司くんがだめならゲンくんならどうだろうか。
彼はメンタリストだし乙女心をわかってくれそうだし、彼も千空くんと仲がいいし、協力してくれそう。

そんな考えのもと、彼女は終わらない作業をひたすら続けげっそりしているゲンに声をかけて恋愛の相談を持ち掛けた。

「なるほどね~。つまり、ちゃんは千空ちゃんに甘えてほしいいてことだね。でも、千空ちゃんの場合はそんな回りくどいことしないで、直接言った方が効果的だと思うけどな」
「……でもでもでも、言わなくてもこう感じ取って欲しいじゃん」
「気持ちは分からなくもないけど……。だったら尚更直接言うべきだと俺は思うよ」
「………ん~」

簡単に言えたら苦労はしないのにと思うが、彼女の気持ちをわかった上でのアドバイスだと言う事は理解しているため、彼女は何も言うことができなかった。
羽京やコハク、杠のところに行っても先述と同じようなことしか言われなかった。
意を決して、千空のところへと足を運んだ。



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