第6章 【石神千空】人はそれを○○と呼ぶ【R18】
しかし、怯んだ二人とは対照的に彼女だけは違う反応を見せた。
見たこともない彼の表情に、自分を大切に思っているからこそのその言動に、胸が熱くなる。
同時に腹の奥、子宮の奥が切なく疼いてきゅうっと締まった。
なにこれ……。
なにこれ、なにこれっ。
こんなの知らない。
「ちゃん?」
彼女の異変に気が付いたのはモズだった。
動いてもいないのに、ビクビクと身体を震わせ小さく喘ぎ続ける彼女にモズは流石に心配になり優しく声を掛ける。
「ぃぁあっ……!!やっ……!やだっ、あ……なん、で……っ!!」
しかしモズの声が聞こえない彼女は、快楽を感じ甘美の海に溺れる。
知らない顔。
知らない声。
知らない感情。
こんな千空くん、知らない―――。
「あっ、んぅっ……!!ひぁ、あああああっ!!」
頭の芯を甘く痺れさせるほどの眩暈と共に彼女は大きく身体を震わせ絶頂を迎えた。
「………っ」
視線を反らし、今にも泣きそうな千空を見た氷月は「流石にやりすぎた」と思い、地面に力尽きて倒れている彼女をゆっくりと起こし素直に千空に頭を下げた。
「すみません、千空くん。まさかくんがイってしまうなんて思いませんでした。種明かしするので、少し待ってくれますか」
「種明かし?」
その言葉に千空は眉間に皺を寄せ、二人を睨む。
モズと氷月は投げ捨てられた衣服を素早く拾い、ぐったりとしている彼女を着替えさせた。
そして自分たちも着替え終わると、漸く千空に向き直った。