第6章 【石神千空】人はそれを○○と呼ぶ【R18】
誰もいなくなった研究室。
静かな時間が流れる中、羽京は千空に向き直りゆっくりと口を開いた。
「千空、ちゃんがモズと氷月に襲われている……」
「……………………………………………………………は?」
言っている意味を理解するのに時間がかかった。
なんで、どうして、が、モズと氷月に、なんで、だってアイツらは檻に。
ぐるぐると回り続ける思考回路だったが考えたところで、彼女が2人に強姦されているのには間違えようのない事実。
こうしている間にも彼女は凌辱されている。
考えるだけで腸が煮えくり返りそうだ。
「場所は?」
「ここから少し離れた場所にある洞窟だよ」
「そうか、わかった」
今まで一度も聞いたことがない彼の怒気を含んだ低い声に羽京は背筋を震わせた。
だが怒るのもしかたがない。
彼は彼女の恋人なのだから。
小さくなっていく背中を羽京は静かに見つめた。
追いかけていきたい衝動を抑えながら。