第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】
「嫌い、だって、オマエに言われた途端、頭が真っ白になって……」
嗚咽を抑え込んだ男の、五条の白い喉が、小さく鳴った。
は目を逸らせない。
「オマエが、いなくなるのが……耐えられなくて……オマエに、見て貰えないことが、苦しくて」
―――何を。
「俺は、今オマエをっ……」
そのまま、すがりつくように抱き締められてもは視線を天上から移すことができなかった。
「どんな手を使ってでも……自分のものにすることしか、考えられないんだっ……」
五条が零した水滴が、間近からの肌を侵食する。
絞り出したような五条の声は、確かにの耳元で聞こえて。
それでも、耳を疑った。
―――何を。
何を、言っているんだ。この人は。
五条の言葉の羅列は、確かに聞こえているはずなのに。
身体に染み込んでこない。
全ての言葉が、ゆっくりと脳内で再生される。
「何、言ってるんですか先輩」
かろうじて動く唇は、か細い声を奏でるだけだ。
の言葉にぴくりと跳ねた大きな身体は、そのまま顔を上げることもなくまるで消えてしまうとでもいうように、さらにの身体をさらにかき抱いた。
脱がされた素肌が、五条の服に擦れて、痛い。
しかしその痛みも気にならないほど、は目の前の男の白い髪の毛に釘づけになった。