第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】
は川崎くんとキスなんてしたことがない。
どんなに仲がよかったとしても、川崎くんとは手を繋いだこともない。
段々と、五条の声が大きくなる。
「そんなに、あいつがいいのか」
初めて男の声に色がついた。
苛立ったような声に、背けていた顔を戻す暇もなく。
突然首筋に顔を埋められた。
「ひッ……」
ぬるりとした感触。
次いで、軽くなる左腕。
手を離した五条が、急いたようにの服に手をかけた。
「や、いやだッ、やめて!」
まさか。また、やる気なのか。
先程したばかりなのに。
やっと咳が収まったばかりなのに、否定の言葉しか吐けない。
「やだやだ、離して!」
稽古場以外で五条に身体を求められるのは初めてだ。
そのことも、の混乱を煽る。
必死に、解放された腕で五条を押しのけようとするも、びくともしない。
鍛えられた男の全体重で圧し掛かられて、息も絶え絶えだ。
ひやりとした指先が、の服の中を這った。
「いやっ、だ、やりたくない!」
暴れないように、気がつけば右手は腰の横のシーツの上に押さえつけられていた。
両脚は、五条の膝に圧し掛かられ少ししか動かせない。
大きな身体に抱え込むように首筋に頭を押し付けられているせいで、細い左腕は虚しく五条の背を叩くばかりだ。