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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】






まるで自分の感情ではないように、遠い。
哀しみとも怒りとも違う。
この身体の奥底が急激に凍りつくような、この感情は一体。

大嫌い。

そうだ、嫌われている。
こんなに焦がれて焦がれてやまない相手に、嫌われている。
存在すらいらないと、捨てられた。
それは自分のせいだということはわかっているけれども、の世界から放り投げられた。

じわじわと、暗闇に侵食される。
真っ白だった世界が、今は真っ暗だ。
彼女は、もう俺を見てくれることはない。
こんなにも簡単に俺はの視界から消しさられる。
そして、は去っていくんだ。
俺を置いて。
俺には目もくれずに、俺の前には姿を見せずに、傑や硝子、歌姫なんかと一緒に……。

腕に力がこもった。
が上げる痛みの声も、足を突き動かす材料にしかならなかった。
今、考えるていることはただ一つ。
自分の身体を突き動かすものはただ一つだけだ。
どうあがいても、自分のものにならないのならば。
それならば、いっそ。





―――後悔することになるよ。





親友の言葉が、浮かんでは消えた。




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