第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】
『これ以上、私は何を殺せばいいんですか⁉︎そんなもの……、そんなものなんてっ!』
の、悲痛な叫びが木霊する。耐えられないというように、掻き毟った短い黒色が揺れる。
燃やされざっくばらんに千切られた髪は、の心を表しているようにも見えた。
『いらないっ!そんなものいらないっ!もう、もう……、結べやしないのに……ッ』
思わず伸ばした手は振り払われた。
叩き落された手はじんじんと痛んだ。
でもそれよりも、の今にも泣きだしそうに歪められた顔が、痛い。
『虫唾が走るんです、先輩に触られると。……気持ち、悪い、です……っ』
気持ち悪い。
自分でも顔が固まったのがわかった。
は他人にそんな言葉を吐く様な人間ではない。
の顔を見た。
憎しみと怒りがそのまま言葉になったような、身を切るような叫び声にふさわしい表情の子供が、そこにいた。