第1章 血鬼術【宇髄天元/*】
円華は意識が朦朧としているのか焦点が合わず、快感が後を引いているようでその余韻に体を痙攣させていた。
畳は水溜まりが出来るほどにシミを作り、今もなお俺の腕から滴るそれに流石に焦った。
(やべ、やりすぎたか…)
虐めたくなったのは否定しねぇが、潮を吹くほどの快楽を鎖に縛られた体制で受け止めるのは酷なはずだ。
頬に手を添えると、それにすらピクンと反応する円華の体は敏感になり過ぎていた。
「おい、円華。意識あるか?」
「…、ふぇ…?うず、い、さん…?」
涙を浮かべながら息を乱す様には生唾を飲むほど妖艶で唆られるが、流石にやりすぎてしまった罪悪感から、挿れたままの指を引き抜く。
優しく口付けてやると、それに応えようと遠慮がちに俺の唇に吸い付いてきた。
「ん、…悪ぃ。流石にやりすぎたわ。平気か?」
「…へ、いき…、なんか、よく…っ、分かんなくなって…」
「鎖切ってやっから少し待っとけ」
改めて見ると小さく震え合間にピクピクと体が跳ねっぱなしだ。
円華の太腿には愛液が伝うように垂れ、頬を赤らめ体で息をする円華の姿に煽られながら、俺は理性と格闘しつつ早々に刀で鎖を断ち切った。
力無く倒れ込んでくる円華を抱きかかえ、悪いとは思ったが円華の羽織を脱がせて畳に敷きそっと横にしてやる。
(…流石に挿れちまうのは、な…)
苦笑混じりに己を落ち着かせる為に深呼吸をし、はだけた服を直してやろうとした。
が、急に細い腕が俺の首に巻きつき、それは叶わなかった。
「…円華さん…?どうしたよ」
「…ん、…やっと、…宇髄さんに触れるー…」
俺の肩口に顔を埋めて、まるで猫のように擦り寄り抱きついてきた円華。
こいつの事だ、どうせ無意識に違いない。こっちは我慢しようと必死だっつうのに…。
予想外の円華の行動に深い溜息が溢れ、俺の最後の理性は呆気なく崩されてしまった。
「……はぁ、…そりゃ反則だ…。円華。…やっぱお前が悪い」
割れ物を扱うように円華を優しく抱きしめ返し、彼女の耳元でそう囁いた。