第4章 寝顔【不死川実弥/*】
以前からこの屋敷に泊まる事はよくあった。
夜着の姿も彼の裸も見慣れているはずなのに、自分で脱がせたせいなのか、今日はすごく彼に欲情している。
そんな自分が恥ずかしいのに欲しくてたまらない。
犯すような口吸いから解放され、口寂しさもあったが今はお腹の奥がキュっとなる感覚にまた腰を捩る。
「腰揺れてんなァ」
「実弥くん、焦らしてるでしょー…」
クツクツの笑いながら指摘する彼をジトっと睨むが、「いいや?」と涼しい顔をしている。
そういえばあまり理性を飛ばした実弥を見たことがない。
年も上で、意外と冷静な所もある実弥は情事の時でさえ年上の優しいお兄さんだ。
「実弥くん、ちょっといい?」
「あ?…んだよ」
急に体を起こした円華を怪訝そうに見る実弥。
彼の前で跪き、体を畳むように屈むと顔を向けた先は主張するように昂った彼自身。
「は?お、いっ、何する気だっ」
「私も実弥くん気持ちよくするの、邪魔しないでよねっ」
「邪魔、って…、やった事ねェだろォが」
「…ダメ?」
張り詰めたように膨らむ下着に手をかけながら見上げると、眉間に皺を寄せた実弥は顔を隠すように手で覆い、ハァー、と大きく溜息を吐き捨てた。
「…わかった。分かったから…、無理はすんな」
許しが出たのもあって堂々と彼の下着を下ろすが、赤黒くいきり立つ彼の欲棒に目を見張り、これがいつも自分の中に入っているのだと思うと息を呑んだ。
顔にかかる髪を耳にかけ、円華は意を決したようにゆっくりと尖った部分を口に含む。
「ん…っ」
「─っ」
支えるように手を添えてチロチロと舌先で割れ目を舐めると、ピクっと実弥の体が反応した。
それが嬉しかった円華は徐々に口の中に収めていく。舌を這わすように絡めると、唾液とは違うトロっとした少ししょっぱい味が口内に広がる。
大きすぎて全部が口に入り切らず、添えただけだった手でそっと握り、唾液が溢れないように口を窄めて頭を引いた。
ゆっくりとそれを繰り返していると、そっと頭を撫でられた。
それだけだったのに、身体の中がギュッと掴まれるような感覚に涙が込み上げてきた。
「んふ、…っ、ん…」
「…苦しいなら止めろよ?」
ふるふると緩く首を横に振り、ふと目線を上げると、息が上がった彼が目尻の涙を指の腹で拭ってくれた。