第7章 画面と指先
その後、私はワガママを言ってキヨさんにはゲーム実況を横でしてもらった。ゲーム実況者さんの横でゲームと操作が同時に見られるなんて私すごく贅沢な時間過ごしてるかも。
そうしている内に、キヨさんが操作しているキャラクターが画面の中の木から落ちそうになった。あ、危ない。と思わず声が出そうになったが、その時キヨさんの指先が素早く動いて見事落ちずに別の木に着地した。
「すごい……」
「だろ? 俺上手くね?」
私が素直に感想を言うと、得意そうにキヨさんが笑った。画面の中で少ししか見ていないけれど、本当に器用なんだなぁと思った。
それからまたゲームを続けようとしたが、時間が夜になっていたと気付いてキヨさんは席を離れる。どうしたのと聞くと、腹減ったとスマホを手に取った。
「なんか出前取る? お金はお母さんから預かってるからさ、なんか頼もうぜ」
「うん……」