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貴方とかくれんぼ[ky]

第3章 夢?現実?


 ダンダンダン!
「ひっ……!」
 聞き覚えのある音。私は何度この音を聞いたことだろう。
 気付けばベットの上で寝ているし、また怖い夢の中にいるのかと体を起こすと、そこに見知らぬ光景があって私は息を飲む。
「あ、悪ぃ悪ぃ、起こしちまったか?」
「え……なんで……」
 そこにいるのは赤いメッシュが入った男の人。私の勉強机があったはずのところには大きなパソコンがあり、そこに男の人が座ってこちらを振り向いていた。私は先程ネットで見た人の顔をよく思い出した。
「キヨ、さん……?」
「ん? なんだよ急に、さん付けなんて」とキヨらしき人物がそう言う。「俺たち、兄妹だろ? つっても俺は隣人のお兄さんだけどな」
 はっはっはっと笑うキヨさん。え、どういうこと……?
「ああ、そういえばユメ子ちゃん、寝てたから知らないのか」とキヨさんは話を続ける。「お母さん、何日か帰ってこないんだって。で、具合悪そうだからユメ子ちゃんに付き添ってやってって言われたんだけど……俺じゃ嫌だったか?」
「う、ううん! そんなことないよ!」
 私は必死に首を振った。この人が本当にキヨさんかどうか分からないけど、今は一人になりたくなかった。引き止めるつもりでそう言うと、キヨさんはそうかと安心したように微笑んだ。
「そりゃあ良かった。まぁ兄妹みたいなもんだしな、しばらくよろしくな」
「う、うん……」
 こうして声を聞くだけでも、やっぱりキヨさんなのかな、と思ってしまう。どうして隣人に住んでるって設定になったかは分からないけど、これが夢でも、それでも怖い夢よりはマシだと思うことにした。
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