第25章 巡る悪夢
「うっ……」
猛烈な吐き気で前屈みになった瞬間、私はトイレを前に座り込んでいた。私はキョロキョロと辺りを見回す。
「あれ……」
自分の家のトイレだ。
お母さんがいつも付け替えてくれる赤いトイレカバーによく知ったカーペット。なぜ私がいきなりここに来たのかとても不思議だったが、そんなことより急に思い出したのだ。キヨさんのことだ。
キヨさん、あのあとどうなったんだっけ。
とにかく今は助けに行かないと!
私はトイレを飛び出した。そこはいつも通りの家の中だったが静か過ぎるのが逆に不気味だった。私は急いで階段を駆け上がった。私の部屋は二階にある。
「キヨさん!」
私は、自分の部屋の扉を勢いよく開けた……。