第23章 学校へ
ダン!
大きな音がして、私は後ろへ倒れた。何が起きたか、分からなかった。
「あれ、ここは……」
キーンコーンカーンコーン……。
聞き慣れた音。だけどこの奇妙さに慣れない今、それはどうも不気味に聞こえた。なんで私、今学校にいるの……?
周りをよく見て考えた。私は今、学校の廊下にいる。どうやら転校してから通うことになった学校の方である。
そして私はいつの間にかランドセルを背負っていて、登校中だったらしいと分かった。だけどいきなりどうして……さっきまで、自分の部屋にいたはずだよね?
「ユメ子、どうした? 授業始まるぞ」
後ろから声を掛けられて振り向くと、担任の先生が立っていた。そうだ、担任の先生は男の人だった……と思ったけど、肝心の顔の方を見上げることが出来ずに違和感が残る。なんでだろうと思ったけど、私は薄々気付いていた。
ここ、夢の中だ。
分かったところで、先生の顔はよく見えないまま、促されて教室へ向かう。なぜだか足が重くなってきて行きたくなかった。なのにどんどんと足が進んで……私は教室の扉を開けた。
教室には、これから授業が始まるとは思えないくらいクラスメイトがいなかった。ただ廊下側の席に三人だけ女子がいて、一人は机に座っていた。女子たちはみんな、私と同じクラスメイトだった。
私が教室の扉を開けたことで、三人の女子たちが私に注目していた、と思う。私は出来るだけ目を合わせないようにしていたからよくは見ていないけど。そしたら女子たちの一人が、こう言い出して。
「ねぇ、なんかちょっと臭くない?」
ドキリとした。
たった今教室に入って来たのは私だけ。それは私に言ったことなのだろうか? 私は臭かったんだろうか? 最近悪夢ばかりで寝汗が酷かったかも……。
色々考えてそこから動かないでいると、先生がいつの間にか教卓に立っていて。私たちにこう言った。
「さぁ、給食のお時間ですよ」
「えっ」