第12章 まるでリアル
「キヨさんも、見た……? あの化け物……」
恐る恐る聞いてみると、キヨさんは頷いた。
「やっぱり、ユメ子ちゃんと同じ夢の世界にいたんだな。まぁ俺が勝手に夢の中だと思い込んでるってのもあるんだけど」とキヨさんは言う。「なんであんな夢見たんだろな? この部屋に何か原因があるのか?」
「原因……?」
「そーそー。何か原因を探したら、もうあんな怖い夢見なくなるかもだし」
と言って、キヨさんは部屋の中を探し回った。私はそんなキヨさんを目で追いながらますます不安になっていた。
私、またあの夢を見るの……?
そう思うと途端に怖くなり、グッと胸が苦しくなった。私はベットから勢いよく下りて部屋を飛び出した。どうした、と聞くキヨさんの言葉も構わないで急いでトイレに駆け込むと、抑えきれずに口から食べた物が吐き出された。
「うっ……」
いっそのこと全部吐き出してスッキリしようと思ったが、昨日食べた物を全部吐き出したんじゃないかってくらい吐き出しても、まだスッキリはしなかった。頭の中で過ぎるのはボロボロの部屋と赤い化け物。怖い怖い、私が何をしたというの……?
吐き出せるものもなくなってトイレからようやく出ると、そこにはキヨさんが立っていた。キヨさんは眉を吊り下げて困った顔をしていた。