第12章 まるでリアル
ドサッ……。
クローゼットから出たはずなのに、なぜか後ろに倒れ込む感覚がして私はハッと目を開けた。
「あれ……」
気付けば私はベットの上で寝ていたらしく、ベットの縁では、座り込んだまま寝ているキヨさんがいた。
「ね、ねぇ、キヨさん……」
揺さぶって起こすと、キヨさんはすぐに起きた。
「あれ、ここは?」
とキヨさんは辺りを見回す。私も落ち着いて周りを見てみたが、そこはいつもの自分の部屋。机もパソコンも壊れていないし、どす黒い何かで散らかってもいない。私の好きなピンク色の家具が揃った自分の部屋。さっきまで見ていた自分の部屋が、まるで嘘みたいだ。
「やっぱり、さっきまで見ていたのは夢だったのか……?」
とキヨさんが呟いているところ、私と考えていることは同じみたいだ。ということは、キヨさんもあの夢の中にいたってこと……?