【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第4章 ※初めて
はぁっ、と苦しそうに呼吸する梶君は指を絡め、額をつけながらそう囁いた。
『…っ……んっ……ぅん…』
口付けを強請るように目を潤ませると、深く舌を絡めてくれた。
「…沙良…濡れてきた…」
side 梶
沙良が欲しい。
自分の思いを悟ってから益々その気持ちは強まった。
自分の事を、こんな風に話す相手は俺だけであってほしかった。
涙を見せるのは…笑顔を向けるのは俺だけであってほしかった。
そんな沙良への気持ちが溢れ、気付いたら沙良を組み敷いていた。
互いに初めての行為。
服を脱がせると、沙良の体の柔らかさに驚いた。
少しでも乱暴にしたら、壊してしまいそうな位に細く脆い体。
男の体とはまるで違う、膨らんだ胸。括れたウエスト、丸い尻。
俺の下で恥じらったり泣きそうになったり忙しい奴だと、更に愛しさが増した。
ただ…
蓬莱につけられた赤い痕は所々薄く残っており、俺がじっと見つめているのが分かったのか、焦って隠そうとする姿が痛々しかった。
「大丈夫だ…」
お前のせいじゃない。
これからはもう、誰にもこんな事させない。
痕を隠そうとする手を優しく握り、口付けた。
『んっ……梶君…』
潤んだ瞳で俺を見つめる沙良。
「どうした…?」
先ほどのように眉間に皺は寄っていない。
『…段々…痛くなくなって…きた…』
ふっ、と笑った沙良に安心した。
いつの間にか敬語でもなくなっていた事に胸が熱くなった。
「…動いていいか。」
根本まで進むと、締め付けが増し、こっちも限界に近づいていた。
こんなに早くカッコわりぃ…
そう思いながら沙良の胸の横に手をついて、密着しながらゆっくりと腰を振る。