【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第4章 ※初めて
私を好きだなんて、そんなはずない…
同情を愛情と勘違いしているのかもしれない…
『梶君私は…大丈夫なので。』
涙を拭って髪を整え、袖を直すと、立ち上がった。
これ以上優しくされたら…
それこそ自分が勘違いしてしまう。
梶君に迷惑をかけたくない…
すると
梶君は私の腕を引っ張り、そっと腕の中に閉じ込めた。
『…っ……』
胸に顔がぶつかると、苦しい位に抱き締められる。
『梶…君………?』
梶君はゆっくり、でもハッキリと言った。
「お前が好きだ沙良。
俺がもう絶対、お前を泣かせない。」
『…っ……ふっ……』
涙が溢れた。
一生縁のない言葉だと思っていた。
梶君を抱き締め返し
今度は私から、そっと唇を塞いだ。
梶君は一瞬驚いたような顔をし、そのまま布団に誘導して私を押し倒すと、覆いかぶさるように口を覆った。
そこからはもう、あまり覚えていない。
布団の上で舐め合うようにキスをして
互いに服を脱がせ合い
ぎこちない愛撫を繰り返し
そして
『…っ……』
「…痛いか。」
初めての事で私が怖がったため、無理して下半身に触れないでくれた梶君。
漏らしたのかと思う程に外側は潤っていた筈なのに、ナカはやはり準備ができておらず、初めての痛みに顔が歪んだ。
『はぁっ……大丈…夫っ…』
息の乱れた梶君の吐息を感じる。
啄むようにキスをし、舌を絡めた。
『んっ…んんっ……』
筋肉質の、汗ばんだ背中に腕を回す。
梶君は肘をつき、頭を撫でながら腰をグっと進めたのがわかった。
『んっ……はぁっ……』
メリメリという音が聞こえてきそうな位、下半身に違和感と痛みを感じ、涙が滲む。
『んんっ……ふっ……ぁっ…』
痛みに耐えられず、梶君の胸に顔を埋め、ぎゅっと目を瞑った。
うっすらと目を開けると、梶君にしがみつく自分の腕が目に飛び込み、ビクリと震える。
痣の色が、いつもよりくっきりとしている様に感じた。
自分が誰かとこんな事をするなんて、夢なのかもしれないという不安に襲われた。
「……………」
呆然としていると、私の体の強張りに気付いたのか、梶君は痣に唇を寄せた。
『…っ……』
「大丈夫だ。側にいる…」