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【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)

第3章 遭遇




side 沙良



ー15分前ー




「試そう、沙良ちゃん。キミが囮になるかどうか。じゃあまぁ、適当に剥いで。」

蓬莱が手を離すと、残りの男の人が私の体を取り囲み、シャツに手をかけた。

『…っ…ゃっ…やめてっ…それだけは…』

ジタバタと動くとスカートを捲られ、1人が大声で言った。


「あーんま手こずらせるとさぁ、こっち触っちゃうよぉ?」

太腿の付け根を掴まれ、涙が流れるのも気にせずコクコクと、大きく何度も頷いた。


これを見られる位なら…



好きにされた方がマシだ。



「ははっ、蓬莱さんこの子ノリノリなんすけどヤっちゃっていいすかー?」

「………」

「普通に可愛いし、同意の上ならいっすよねー。」

男の人がスカートを上まで捲ると、下着があらわになった。

ギュッと目を瞑ると



ガッ……



「…っ……」

私に触れていた男の人の頭が目の前で沈んだ。

「何勝手なことしてんの?俺今なんつった?適当に剥げっつったよな?」

無表情で淡々と話す蓬莱の姿に、皆シンと静まり返った。

「っすんません…」

「………」

蓬莱は私のシャツに手をかけ、脱がせようと肩まで下げた。

『ゃっ…お願いそれだけはっ…ゃめっ……』

瞬間、肩がひんやりとし、

空気が凍ったのがわかった。




「え……何これ?」

「こわ……皮膚どうなってんの…?」

とたんに男の人達は蜘蛛の子を散らすように離れた。






「キモ……」






眉間に皺を寄せる彼らを見て呆然としていると、心の中で笑いがこみ上げた。

あぁ、そうか…そうだったんだ。

何で思いつかなかったんだろう。


涙がポロポロと流れると、蓬莱が目の前まで接近し、耳元に口を近づけた。

「これ、梅宮に見せたい?」

『…っ……』


ビクリと震え、精一杯首を振った。

「なら大人しく協力しろ。アンタはあくまで囮。アンタ自身に興味なんて1ミリもないから安心しろ。」


そういうと蓬莱はシャツを肩まで戻し、私を優しく寝かせると、首に吸い付いた。

『…っ……』

「蓬莱さんっ、危なくないすか?コイツ何か病気かもしれないっすよ。」


初めて感じるチリっとした痛みにも、抵抗する気力はなかった。


病気…


何十回と言われたセリフに、胸が抉られた。
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