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【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)

第7章 ※本当の私



『ありがとうっ…介抱してくれて…』

「……お礼を言ってもらえるようなこと…してないよ。むしろ逆だったでしょう?沙良ちゃんを傷つけたんだから…」


『…もう……気にしてないから…』

「ふふっ…ありがとう。君の優しさにつけ込むような事して…本当にごめんね。」

蘇枋君の眉の下がった悲しそうな顔を見て、ズキンと胸が痛んだ。


『ううん…本当に…もう大丈夫。明日、よろしくお願いします。』

フワリと微笑むと、蘇枋君は帰って行った。









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「昨日は本当に…申し訳ありませんでした。」

午前中、椿さんと晴竜さん、雨竜さんと幹路さんという方、スタッフさんがわざわざ菓子折りを持って店まで来てくれた。

「いやいや…わざとじゃないだろうし…
変な話、酒屋の娘が酒に気づかず飲んじゃったんだから情けない話だよ…沙良の話じゃ、少量って事だったんだよね?」

「はい…蘇枋から連絡を受けてすぐにグラスを確認したら、かなりの量が残っていたので、飲んだ量はわずかだとは思うのですが…量の問題ではありません…
沙良ちゃんはたまたま違いましたが、アルコールアレルギーの方もいらっしゃいます。口に入る物のミスは命に関わりますから…
本当に申し訳ありませんでした。」

「申し訳ありませんでしたっ…」

幹路さんとスタッフさんが深々と頭を下げた。


『私も気付かなかったので…もう大丈夫です。
今は何ともないですし…顔を上げてください。』

「沙良ちゃん…」

「ホント、気にしないでくれ。大ごとにする気もない。わざわざありがとうな。」

お父さんは幹路さんとスタッフさんの肩を叩いた。

「遠藤さん、本当にごめんなさい。沙良も…
これからこんな事がないようにします。」

椿さんも頭を下げてくれた。

「椿もありがとう…もういいから。
今日は沙良の誕生日会もしてくれるんだろ?悪いな、気を遣ってもらって。」

椿さんは顔を上げ、首を振った。

「私達がしたいからするの。皆気合い入れてるから、楽しみにしてて。遠藤さん、また写真送りますね。」

「あぁ、よろしく頼むよ。」



2階の自室で椿さんが持ってきてくれた衣装に着替えると、一階の茶の間で晴竜さんがメイクとヘアセットを手際よくしてくれた。
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