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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第53章 和解


 それから私たちは、一人一人にハグをかわして勇者御一行たちに別れを告げた。ドズルさんとぼんじゅうるさんとおらふさんは快くハグをしてくれたのだが、おんりーさんは少し遅れてハグをしてくれて、MENさんは異様に遠慮されたので握手だけしてポータルへ飛び込んで行った。
 私はというと、ノゾミが目を覚ますまでエンドの島で時を待った。何もない黒い空に、星みたいなのが瞬いていて、ボーッと眺めている内にノゾミが目を覚まして。ここは? と聞かれたので、私は彼らとの冒険をゆっくりと話した。
 帰りを心配しているお父様お母様には悪いけど、ちょっとだけ、姉妹水入らずの時間くらい許して欲しくて。
 ノゾミも私が話す冒険譚にとても興味を持ち、時々質問をした。彼らは他にはどんな魔法を使ったのとか、どんな景色を見たのだとか。
「オニギリという食べ物もとても気になるわね……私も食べてみたかったわ」
 とノゾミは言うので、私は頷いた。
「とても美味しいご飯だったの。今度ノゾミにも作ってあげるね」
 見様見真似だけど、ノゾミのためなら、似たようなものは作れると思ったから。
 そうして、長く喧嘩仲だった姉妹の溝を埋めるように話し込んだ私たちは、ようやくエンドラを討伐したまでの話を終えてそろそろ帰ろうと話になった。両親はきっと心配していますわって。そうだよねって、私も同意して。
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