第46章 決戦場へ
「あの、エンドラは……?」
しかし、どこを見てもエンドラの姿はなく、私は不安になってそこにいたぼんじゅうるに訊ねた。ぼんじゅうるは走っていたのだがわざわざ立ち止まってくれてこう答えた。
「この世界のエンドラは、クリスタルを壊さないと出てこないみたいだから、まずは先に壊しているのよ」
アレをね、とぼんじゅうるは柱の上に浮いている紫の塊を指した。見れば他の仲間たちは柱を登っていて、今まさにその紫の塊を壊そうとしている。
「あれがクリスタル……」
「あ、そこにいたら危ないっ!」
「えっ」
クリスタルを見つめていると、MENの声が飛んで来た。視界の上から樽の形をした爆弾が降って来たのだ……!
「きゃあっ?!」
「スケルトン、召喚っ」
悲鳴をあげてしゃがむことしか出来なかった私は、その場から動けずに爆弾のダメージを覚悟した……が痛みはなく、恐る恐る顔を上げてみた。
目の前にはスケルトン家族が召喚されていて、爆撃を防いでくれたらしかった。
「ご無事ですか、ユメ様」
スケルトン家族の一人がこちらを振り向いてそう声を掛けてくれたが、いやいや、ご無事じゃないのは貴方の方である。
「私は大丈夫ですが、スケルトンさんは……」
「大丈夫です。私は、おらふさんや貴方の盾になればこれ程のない幸せですから」
「でも……」
召喚獣だとしても痛みはあるのでは。言いかけてスケルトン家族たちはふわりと消え、あとからおらふが駆けつけてくれた。
「ユメさん、大丈夫ですか?」
「……はい、大丈夫です」
自らの体で守ってくれるスケルトン家族のために、今はエンドラを倒すことに集中しなくては。私は頷き、手にしている大巫女の杖を力強く握り直した。
「クリスタル、壊しました」
間もなく、おんりーがそう報告に来てくれた。五人の緊張感はますます高まり、私も気を引き締めて上空を見上げた。
空から見覚えのある大きな体が、ジタバタ暴れながら下りて来たからだ。