第46章 決戦場へ
一瞬目の前が暗くなり、目眩がした。
「う〜ん……」
なんとか目を開けると、そこも真っ暗な視界で私は息を飲んだ。私はまだ目を閉じているの? そう錯覚してしまう程の真っ暗な世界の中、グゥオオオオ! と咆哮が飛び込んで来た。
「危ないっ」
ぐいっと誰かに引っ張られて私は誰かの胸に飛び込んだ。振り返ると紫の霧が広がっている。なんだか分からないが、触れると危険な香りがした。
「すみません、大丈夫すか」
と言ったのは、私の手首を掴んで引っ張ったMENだった。紫の霧に当たらないように引っ張ってくれたみたいだが、私今MENの体の上にいる!
「すみませんっ、私ったら!」
とすぐに避けようとしたが、手首ががっつり掴まれて動けなかった。
「あー、今出ない方がいいっすよ。ブレスがあるんで」
とMENに言われてよく見ると、私は黄色い地形に囲まれた物陰にいるらしかった。他のみんながどこに行ったかは分からないが、後ろは紫の霧……ブレスとやらが広がっているので動かない方が賢明なのだろう。
「ありがとうございます。私、エンドラと戦うの初めてで……」
「はっはっはっ、大丈夫っすよ」
そう言うとMENは明るく笑って私を立ち上がらせてくれた。いつの間にかブレスは消え去っている。早くみんなの元に行かなくては。
「メーン、クリスタルを爆弾で壊せるー?」
そこにひょこっと覗き込んで声を掛けてきたのはおらふだ。今外はどうなっているのだろうか。早くノゾミを助けに行かなくては。
「おう、今行く!」
と答えてMENが先に走り出した。私も追い掛けるように地形を上がると、そこには島が広がっていた。
黄色い地形がなだらかに続いていて、そこには黒く背の高い魔物みたいなものが歩いたり立ったりしている。そして四方八方には空よりも真っ黒な柱が何本かあり、その柱の上に何か浮いているらしかった。