第45章 小さな誕生日会
「じゃあ……そのサークレット、私にくれますか?」
「え、これ?」
私はぼんじゅうるの頭に被っているサークレットを指した。私にはある考えがあってダメ元でお願いしたことだった。
「いやでもこれ、汗臭いかも」
「ふふ、そんなことないですよ」だって私、貴方のそばが嫌だと思ったことないですから。「ダメならダメでいいんですけど……」
「もっとちゃんとしたのがあげたかったけど……これでいいならあげるよ」
ぼんじゅうるが折れてくれた。ワガママな子どもでごめんなさい。心の中で謝りながら、私はぼんじゅうるが渋々外したサークレットを受け取った。
「ありがとうございます。大事にしますね」
ダイヤと一緒に、もう一度胸に抱きしめて。
そうして、私の小さな誕生日会はあっという間に過ぎて行った。折り畳み式の簡易作業台を片付けて、ドズルはこちらを振り向く。
「さ、そろそろ行こうか」
「はい」
私は深く頷いた。
「合図はぼんさんでお願いします」
とドズルはぼんじゅうるへ目を向ける。
「よっしゃあ、行くぞ! エンドラ討伐をしてノゾミちゃんを助けるために!」
「おー!!」
私は、五人の真似をして天井に拳を突き上げると、とうとうエンドへと、足を踏み込んだ……。