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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第44章 サプライズ


「ありましたよ、ポータル」
 そこに、おんりーがやって来て、私たちはいよいよエンドポータル前に辿り着いた。
 エンドポータルは緑の縁取りに白いボールのようなもので出来た大きな穴のようになっていて、中は覗き込んでも先が見えないくらい真っ暗だった。ずっと眺めていると目眩がしそうになり、私は慌てて目を逸らした。
「ここまでの話を一旦まとめようか」
 と切り出したのはドズルだ。ドズルは崩れかけた石レンガの縁に腰を下ろしていて、みんなも座っていたので私も適当な階段に座った。
「エンドラは、ユメさんの妹さん、ノゾミさんを連れ去ってどこかに行ってしまったんだよね?」
 とドズルは私の方を見て訊ねた。私は頷く。
「はい。本当に、あっという間の出来事でした……」
 思い出すだけでもこんなにも胸が苦しい。ノゾミは無事なのだろうか。怪我をしていないだろうか。そんな心配が私を押し潰そうとしてくる。今すぐにでも助けに行きたい気持ちはあるのだが、私も気になる点がいくつかあるので、黙って次の言葉を待った。
 次に話し出したのはおんりーだった。
「自分も、見ていました。エンドラはノゾミさんを捕まえて立ち去りました。言い方からして、エンドラは次期大巫女の何かしらの力が必要……といった感じでした」
 そこで私は、お母様が言っていたことを脳裏で反芻した。忘れるはずがない。あの恐ろしい単語の羅列を。
「エンドラは、大巫女の血筋を生贄に本来の力を取り戻す……?」
 そんなことが可能なのだろうか。私は信じたくない思いでお母様の言葉をそのまま繰り返した。そうなるとノゾミは、そしてエンドラは、どうなってしまうというの……?
「なるほど、そういうことでしたか」事情をあまりよく知らなかっただろうMENがそう言った。「ということは、まだエンドラは本来の力を取り戻してないってことですよね? だったら今すぐエンドラ討伐に行きましょう」
 とポータルに足を掛けて今すぐに行こうとするMEN。そこにドズルがちょっと待ってと話を続けた。
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