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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第44章 サプライズ


 エンド要塞は、真四角に削って積み上げた石レンガで出来ていた。それだけでなく、途中牢屋のようなものもあったりして、まるで人間が作ったみたいだというと、そうらしいよと答えが返ってきた。
「なんだっけ? 確かクレアちゃんが、エンドラを封印するために初代大巫女が作ったとかなんとかで」
「そうだったんですね……」
 ぼんじゅうるの話に耳を傾けながら私は俯く。私は母から、あまりにも何も教わっていない。それも私が巫女試験を終えていなかったからか、またもやもう見込まれていなかったからなのかとか、思わずネガティブなことを考えてしまって首を振る。
 とにかく今は、ノゾミを助けることだけを考えなくては。
 そうしてぼんじゅうるたちの話を聞き続けたところ、このエンド要塞はエンドラの封印を解いた人間を捕らえる牢獄のような建物でもあったらしく、ところどころ人の生活跡が見受けられた。
「こちらの図書室も、かつての囚人が使っていたのでしょうか?」
 エンドラがいるエンドに繋がるポータルを探している途中、見かけた図書室のようなもの。蜘蛛の巣だらけの空間に、擦り切れたりボロボロだったり散らかっている本だらけの部屋があったのだ。
「そういえば、なんでエンド要塞に図書室なんてあるんやろ? 気にしたことなかったなぁ」
 と言いつつ、肩にいる蜘蛛と一緒に部屋を探索するおらふ。大蜘蛛は蜘蛛の巣があるのが楽しいのか、何度も本棚とおらふの肩を行き来したり跳ねたりして回っていた。
「誰かが趣味で作ったんじゃない?」
 そこにぼんじゅうるもやって来て、冗談笑み含めてそう言った。それだったらちょっと面白いかも。私が思わず笑うと、おらふもつられて笑ってたみたいでみんなで笑い合った。
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