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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第41章 荒らし


「今から爆弾を投げるから避けてね〜」
 なんとも軽い口調でとんでも発言を聞いた私は、驚いてその場から動けなかった。その間にみんなはMENに言われた通り避けていたのだが、私がいつまでも動かないので最終的にぼんじゅうるに手を引かれて茂みに飛び込んだ。
 それを良しと見たMENは持ち上げていた大きな樽を……勢いよく投げた。
 樽は大岩に直撃するや否や凄まじい音を立てて爆発した。
 初めて見る爆弾というものを、私はよく観察する間もなく風と砂埃で何も見えなくなった。私は反射的に自分の顔を腕で覆い、再び大岩があった方向へ目を向けた時にはすでに切り開かれた道だけが目前から奥に伸びているだけが見えた。
「これが、爆弾……」
 私が呟くと、MENは得意そうに笑って小さく会釈した。
「荒らしのおおはらMENです。どうぞ、お見知り置きを」
 彼が荒らしと呼ばれる理由が、少し分かる気がした。
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