第41章 荒らし
翌朝。
私たちは再び、道中を塞ぐ大岩の前に集まっていたのだが……。
「MENは寝坊だとして、ドズルはまだなのか?」
とぼんじゅうるが言う通り、ドズルとMENがまた来ていなかったのだ。
まさか、途中魔物に襲われたんじゃ、と私が心配するものの、ぼんじゅうるは大丈夫と言うばかり。それ程彼らは強いというのか、それこそ信頼というものなのだろうか。
「MENは樽の準備をしているみたいよ。もうすぐ来ると思うんやけど……」
とおらふが言い、向こうを見やるが来る気配がない。何か準備が必要みたいだが、だとするとドズルはどうしたと言うのだろう?
「ドズルさんは、MENさんのお手伝いをしているんですかね?」
と私が問うと、いや、とおんりーが首を振った。
「ドズルさんは、さっき野良のニワトリを見かけたって言うと追いかけて森の中に入って行ったんです」
「え、ニワトリを……?」
私にはその意図がよく分からない。
すると横でぼんじゅうるがため息をついた。
「はぁ、何をやっているんだか、あの人は」
「あ、誰か来ましたよ!」
そうして話している間に、おーいと手を振りながら駆け寄って来たドズルと、大きな樽を抱えてやって来たMENの姿が見えた。
「ニワトリ、捕まえたんですか」
「ううん、違うんだけど、ちょっとね」
おんりーの質問にドズルは曖昧な返事をして後ろから来ているMENを振り向いた。MENは大きな樽を頭の上で持ち上げていて、近付くなりこう言った。