第40章 青い果実
ふと、おらふのそばにいたアレイが青い果物を持って私の所にやって来た。アレイは美しい鐘の音のような鳴き声で私に何か訴えていたので手を差し出すと、そこにちょこんと青い果物を置いて飛び去った。
「ありがとう、アレイさん」
とは言ったものの、この青い果物は食べ物なのだろうか? 青いリンゴの話は聞いたことあるけれど、童話の中では毒リンゴだったと聞く。もしかすると庶民がよく食べる果物なのかもしれないけれど、見たこともない美しさに見とれて、私は食べてしまうのはもったいない気がしたのだ。
「大事にしますね、アレイさん」
私は懐に青い果物を仕舞うことにした。
そうして食事も充分楽しんだところで話題は次の行き先へと移り変わった。MENのおかげで次のところに行けるなと話が進むので、私は質問をしてみた。
「道の途中に大岩があったのですが、あれを壊して進むのですか?」
あの大岩、とてもじゃないが一人で壊せるとは到底思えない。それとも、みんなが揃うことで発揮出来る魔法でもあるのだろうか? という考えが発展したところでハッと思い出す。あの岩には魔法が通用しないと言っていたではないか。
なら、どのような方法で? と私はMENへ視線を向けた。体格は自分以上にあるし頼りがありそうではあるが、とても人間一人で壊せるレベルではない。
「ま、明日までに準備しますわ。今日は寝ましょうや」
とMENは軽く請け合った。何か策があるのかもしれない。私は小さく頷いた。
「明日、よろしくお願いします」