第40章 青い果実
その後、ネコおじは村の宿屋を貸し切ってくれたので、私たちはそこで一晩過ごすことにした。
謎の爆発音も、メン……またの名をおおはらMENという彼の攻撃音であると分かった今、山神様は関係なかったのだと安心したネコおじは採れたての作物や山菜を沢山振舞って手厚くもてなしてくれた。
夕方にオニギリを食べたばかりだというのに、先程の戦闘でかなり体力を消耗したのか、私も少し小腹が空いてしまっていたのだ。
とはいえこんな庶民的な食事は初めてでどう食べたらいいか手間取っていると、横のドズルが豪快に素手で食べ始めたので私も真似すると、反対側の隣にいるぼんじゅうるがへらりと笑った。
「お姫様に変なこと教えないでよ、ドズルさん」
「えー? 僕は別に教えていないですよ。ね、ユメさん」
「そうですね。私が、真似したかったんです」
ぼんじゅうるとドズルのこの会話はいつものことのようで、いがみ合っているように見えて全く不快感のない彼らのやり取りを、私はどこかで好ましく思うようになっていた。見ると他の三人も彼らの会話を楽しんでいるようで、一緒にいると本当に笑顔の絶えない仲間なんだなぁと私は心からそう思った。
「あ、アレイ、それどこに持っていくんや」
「え、私にくれるの?」