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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第39章 爆撃


「おんりー!」
「おんりーさん……!」
 みんなと私は一斉におんりーの名前を呼んだが返事はない。直後、幻影たちは弾けるように霧散していき、空中に浮いていたメンがふわりと着地した。
「おんりーさんは……?」
 私は愕然とした光景を前に動かなくなる体を無理に動かしてメンの元へ駆けつけた。メンは私と目が合うなり驚いた顔をしたが、それがどういう心情なのか細かいことは分からない。
「あ、上上!」
 ぼんじゅうるが大きな声をあげて上空を指した。
 何があるのかと急いで見上げれば、私とメンの丁度真上から小さな何かが迫ってきていて……おんりーさんだ! と気付いた時にはおらふがオオカミに跨って飛び上がっていて、見事に落下してくるおんりーを受け止めた。
「はぁ……死ぬかと思った……」
 とおんりーが胸を撫で下ろすのも束の間。
「おんりー、なんで上に吹っ飛んでいたんだよ?」
 きょとんとするメンに、おんりーは勢いよくオオカミから下りて食ってかかった。
「メンの攻撃のせいで吹き飛んだんだよ💢」
「あ〜……そうなんだ?」
 ハハハハハッと笑うメンは怒っているおんりーに詫びる様子はない。私はどうしたらいいかと二人の間でオロオロするばかりだったが、すぐにはぼんじゅうるとドズルも近寄って来て、とにかく無事でよかったと笑い合って穏やかに話は終わったようだ。
 それからメンが私をもう一度見て聞いてきた。
「えっと、この人は……?」
「あ、私は……」私は慌てて自分の見た目を整えた。「大巫女王国第一王女、ユメです」
 今度は胸を張って名乗ることが出来た。
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