• テキストサイズ

導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第39章 爆撃


「おい、おんりー! そいつをこっちに呼び寄せろ!」
 戦闘の渦中にいた男性が、唐突に指揮を執り出した。他の三人が目の前で幻影と戦ったりかわしたりしている中、おんりーだけは周囲の木の枝を伝いながら逃げることだけに徹底していたからだ。だけどどうして呼び寄せたりなんかするの……?
「メン、何か考えがあるのか?!」
 話がついていけていない私を置いてドズルが問う。どうやらそのメンとやらは彼らの知り合いのようである。
「全員纏めてぶっ飛ばす!」
「任せたっ、メン!」
 ぼんじゅうるもメンを信頼し切っているようで、幻影たちを彼の元に呼び寄せた。おらふもオオカミに跨っていて幻影たちをメンの元に集め出した。
「いけぇ、メン!」
「よっしゃあ、行くぞ!」
「ちょっと待てって!」
「メン、おんりーがまだ……っ」
 おらふの声を最後にメンが何か動きを見せた。周りの力を吸い取り、メンの周りに何かが集まり出したのだ。
 だがドズルは、まだおんりーが来ていないことに気付いていた。ちょっと待て、のおんりーの言葉がメンに届いていたかどうか分からない。なぜなら彼は複数の分裂した幻影たちにあっという間に飲み込まれ、姿が見えなくなっていたからだ。
 遅れて駆けつけたおんりーは、メンの凄まじい力に吸い込まれて途中転がってメンに向かって幻影の黒の中に共に飲み込まれてしまった。
/ 109ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp