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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第34章 ビレッジ


「そうに違いありません! 我らの山に大昔から山神様の祠があり、そこに毎日作物を奉納していたのです。ですがこの前の長く続く大雨で不作が続き、しばらく奉納していなかったからか、山神様が怒り、あの大岩で道を塞いだのでしょう」
 次第に声が暗くなるネコおじ。しかしぼんじゅうるは、少し疑っているみたいだった。
「山神様なんて本当にいるの? 雨のせいで岩が崩れただけじゃない?」
「何を言うのです! そのようなことを言う人には山神様の祟りが降りかかりますぞ!」
 ぼんじゅうるの言葉にネコおじは眉間に皺を寄せてそう言い返した。そこにドズルが割って入った。
「まぁまぁ二人とも、落ち着いて」とドズルは二人の距離を置くように促す。「僕たちも、あの道は通らなきゃいけないし、山神様に作物を奉納するお手伝いをしてみようよ。それであの大岩がなくなるかもしれないし」
「うーん、まぁやってみてもいいけど……」
 山神様が本当にいるかどうかは分からないが、エンダードラゴンだけでなく、スケルトン家族にも出会ったのだ。そういった不思議な生き物たちが、私たちを助けてくれるのなら、やるしかないのかもしれない。
 ……ノゾミ、それまで無事なのかな。
「大丈夫ですか」
 私が不安な顔をしてしまっていたのか、おんりーが声を掛けてきた。私はなんとか笑ってみせた。
「大丈夫です。私には、私の出来ることをします」私はネコおじへ目を向けた。「ネコおじ様、私たちは何を手伝ったらいいのでしょうか?」
「おお、そう言うと思っておったぞ! さすが勇者様御一行たちじゃ!」とネコおじは言うなり倉庫から農具を持ってきた。「お前たちにはね、これから、畑を耕してもらいたいんじゃ。なぁに、一日あればすぐ終わることだ。今から畑に案内するから、頼んだぞ〜!」
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