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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第31章 再会


「キャー!」
 たまたま通りがかった城の侍女が、魔法陣から現れたソレに驚き逃げ出した。
 だがソレら四体は動じることなく、カラカラと音を立てておらふに向かって跪いた。
「貴方ならボクたちを目覚めさせてくれると思いました」と骨の姿をしたソレの一人が言う。「ボクたちは、本来は召喚獣のスケルトンだったんです。ボクたちはあのモンスターたちに襲われ、咄嗟に魔法陣に逃げ込んだんです」
 そうして、ソレら……スケルトンの一人が、骨のモンスターに襲われた経緯を話し始めた。
 ピラミッドで暮らしていたスケルトン家族は、ある日エンダードラゴンがやって来て見たこともないモンスターを連れて襲って来たのだという。スケルトン家族たちはそのモンスターと戦ったが圧倒的数の多さで力適わず、最終手段として魔法陣に逃げ込んだ、とのこと。
「エンダードラゴンが……」
 私は思わずソイツの名前を口にしてしまう。エンドラはノゾミだけでなく、スケルトン家族たちのことも襲っていたということなのだろう。
 すると、そのスケルトンが私の方に振り向いて跪いた。
「貴方のお話は聞いておりました。このような姿で面会することをどうかお許しください」
「い、いえ、私は、そんな……」
 私なんて大したことないのに、スケルトンはそれでも頭を下げたまま、手を差し出してきた。
 なんだろう? と思いながら私も手を差し伸べると、手の平を上にされて両手で覆われた。何をされるのか不安になっておらふを見やっても、大丈夫というかのように頷きを返されるだけ。私はますます不安になりながら手元へ視線を戻した時、その重さを感じて一瞬息を飲んだ。
「えっ、これって……!」
 私の言いかけた質問に、スケルトンは俯き加減のまま立ち上がってこう言った。
「我らスケルトン一家は代々、こうして大巫女の杖を守り、直し続ける秘密の召喚獣でした」スケルトンは話し続ける。「聖なる湖にて杖が修復しなかったのは、我らが魔法陣に逃げ込んだからです。咄嗟の判断とはいえ、お手数とご迷惑を掛けまして申し訳ございません」
「いえ、私は……」
 と私は首を振っておらふへ視線を向ける。おらふも気にしていないでと、にこりと笑む。
 スケルトンは私たちの反応を見て、優しく微笑んだ気がした。もっとも、顔は骨だけで表情は全く分からないのだが。
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