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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第29章 バルコニーへ


 その後、私たちは援護に来た警備兵たちに丁重に扱われながらサンディ王国に帰還した。
 サンディ王国の王様たちから、洞窟の謎のモンスターを討伐してくれたということで私たちはかなり感謝され、豪華な食事を出されてもてなされた。
 どうやら洞窟……ピラミッドが突然崩壊したことで、骨のモンスターが外に出てきて人々や国を襲うことがなくなったようだ。行方不明の警備兵たちのことは分からなかったが、王様たちに聞いてもスケルトン家族のことは知らなかったと聞いて、私も、多分おらふの顔色も暗くなるばかりだった。
 ドズルとぼんじゅうるは美味しい食事を楽しんでいたが、あの一件で多くのことがあり過ぎた私はあまり食欲がなく、席を離れた。見るとおらふもいない。辺りを見回していると、そこにいたおんりーから、バルコニーに行きましたよ、と私は何も言っていないのに教えてくれた。とりあえず私も、バルコニーに向かうことにした。
 バルコニーには、やはりおんりーが言っていた通り、おらふがいた。肩には大蜘蛛、周りには数匹のミツバチと一人のアレイに囲まれて。足元ではあのオオカミが、サンディ城の従者たちから貰った肉を頬張っている。その真ん中で、おらふはいつまでもポピーの入ったガラスケースを抱えていた。
 ここまで来てなんだが、私は声を掛けようか悩んだ。彼には一人の時間が必要なのかもしれない。私はこの場を引き返そうと思った。
 その時、鐘の音のような音が近付いてきて私は足を止めることとなる。アレイが近付いてきたのだ。
「あれ? アレイどこ行ったん……?」
「あ……」
 そうして、私はおらふと目を合わせることになったのである。
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