第27章 生死
一区切りして、ぼんじゅうるとドズルが私たちのところに戻って来た。やはりスケルトン家族はどこにも見当たらなかったみたいで、食料も腐っているものばかりだったみたいだ。
「おらふくん、行くよー?」
ただ一人、おらふだけは諦めていなくて。
「でも、スケルトン家族さんたちが見つかってないですよ?」
おらふが長テーブルの向こうから振り向いて首を傾げる。
「きっと、あのモンスターたちのせいでいなくなっちゃったんだよ」
とぼんじゅうるが優しい言い方をするも、おらふの足取りは重かった。
「でも、ぼんさん……」
グラグラ……。
その時、不審な揺れがわずかに起きた。
それだけでは終わらず、天井から徐々に砂埃が流れ出てきて、私はそこにいたぼんじゅうるの腕に飛びついてしまった。
「あ、あの、この揺れは……」
「崩れてくるのかも……おらふくん、ここを出よう!」
私は失礼さより恐怖で言葉を震わせながらぼんじゅうるに聞く。ぼんじゅうるは立ち尽くすおらふにそう呼び掛けた。
「けど……っ」
おらふは長テーブルを振り返る。頭上からゴロリと瓦礫が落ちてきて私は息を飲んだ。ぼんじゅうるの予想通り、崩れるのかもしれない。
「ドズさん、ここ壊せますか!」
おんりーが出入口らしきところに立ち止まってドズルを呼ぶ。崩落が始まっていて、出入口が何か巨大な瓦礫で塞がっていたのだ。
「ちょっと待って、今やってみる!」
ドズルはおんりーの元へ駆けつけ、魔法の準備をする。私とぼんじゅうるはおらふの方を振り向いた。
「おらふくん!」
ぼんじゅうるがおらふを呼ぶ。
「……っ、これだけでも持って行きます!」
おらふは長テーブル上にあったガラスケースを抱えた。おらふとはいえ一抱えもある大きさだったが、中にあるポピーは固定されているのか一ミリも動かない。わりと頑丈なのかもしれない。
「おらふさん!」
私もこちらに走ってくるおらふへ手を伸ばす。揺れが激しくなり、おらふがふらついた瞬間、ぼんじゅうるがおらふの袖を掴み、私は彼の腕を掴んだ。
「走れ走れ!」
「はいっ!」
「みんな、こっちこっち!」
ドズルが破壊した出入口だろう光に向かって、私たちは走り続けた……。