第26章 スケルトンと骨モンスター
その瞬間、敵のモンスターたちが大蜘蛛へ標的を定めて一斉に襲いかかった。私が危ない! と身を乗り上げたのも束の間、次には蜂の群れが飛び出して大蜘蛛の応戦をする。見るとおらふは得意気に笑った。
「大丈夫やろ?」
と言うおらふだったが、一番心配そうな顔をしていたのも私は気付いていた。彼はどんな生き物にも優しいのだろう。だから彼は獣使いなのかもしれない。
「下ります」
おんりーの一声を皮切りに、下のフロアへみんなが続々と下りて行った。一人、ぼんじゅうるだけは階段を探そうと言っていたが、遠回りになりそうだからとドズルに説得されてガンナーフックを伝って下りて行った。
最後は私だった。動きやすい服装とはいえ、この状況に一度も遭ったことがない私は、体力の自信がなかった。でも言い出したのは私なんだし、勇気を振り絞っていかないと!
その時、下のフロアの出入口からわらわらとモンスターが出てきたのが見えた。モンスターたちの呻き声が聞こえ、私はバランスを崩しそうになる。
「ユメちゃん、大丈夫?!」
下からぼんじゅうるが声を掛けてきた。大丈夫と言いたいが、腕の力だけで自分の体重を支えるのはかなりキツかった。
「みんなでユメちゃんを守ろう!」
「はい!」
ドズルの一声で、おんりーとおらふがはっきりとそう返事したのが聞こえた。下を見ると竦んでしまうと思いながらもちらっと見たところ、あの骨のモンスターたちが襲いかかってきていて私は目眩がした。早く下りないと……私は足を引っ張ってばかりだ。
「きゃあ?!」
その時、紐が大きく揺れて私は悲鳴をあげてしまった。弓矢を持った骨のモンスターが、私の頭上の紐をかすったらしい。落ちる落ちる、私はまだ……!
ぐらりっ。
私の視界が、大きく傾いた──。