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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第25章 洞窟の奥


「スケルトン家族にはよくしてもらったんだ。そのスケルトンたちに、何が起きたのか話を聞きに行こう」
「ということは、敵ではないんですか?」
「そうみたいだね」と代わりに答えたのはドズルだ。「この世界は、スケルトンは友好モブみたい」
 この世界、という単語を聞いて私はドキリとした。気にしないようにしていたけど、彼らはこことは違う異世界から来たとおんりーから聞いていた。それはこことはどう違うのか、それとも似ているのか、聞くのが恐ろしいような、でも少しだけ好奇心もあって私はまた質問をしていた。
「皆さん、こことは違う世界から来たんですよね? それは、こことは全然違う世界なんですか?」
 すると、階段を先に下りていたおらふがうーんと唸った。
「似てるところもあるけど、違うところもあるかもなぁ……ねぇぼんさん」
「そうだなぁ、そもそもここはゲームの世界みたいだし……」
 おらふに話を振られてぼんじゅうるは考える素振りを見せたが、私の視線に気付くとしまった、と小さく呟いた。いけないことを聞いてしまったのだろうか。
「すみません、変なこと聞きましたよね……」
 勇者にだって話したくない一つや二つはあるのだろう。私が声の調子を落として謝ると、ぼんじゅうるもこっちこそごめんと謝ってきた。
「いいのよいいのよ、俺が悪かった」
 だから私はそれ以上、彼らの異世界について聞き出すことはやめた。彼らだって元の世界に帰りたいに決まっている。ノゾミだって、城に戻りたいと思って……。
 あの重圧だらけの城に、ノゾミは帰りたいと思っているだろうか?
 私は急に不安になって俯いていると、既に階段を下り切ったおらふの声が飛んで来た。
「あれ、スケルトン家族さんたちがいない!」
「おらふくん、危ない!」
 グシャリと、戦場の音がした。
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