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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第22章 骨のモンスターのナゾ


「大丈夫? ユメさん。ああいうのは初めて見たんですか?」
 とドズルに聞かれてドキリとした。そうか、巫女修行のどこかでは、戦場慣れするためにあのような光景を目の当たりにすることはあったのかもしれない。私は答えに言葉を詰まらせた。
「私……」
「こらこら、ドズルさん。女の子に変なこと聞かないのよ」
 私が自分に劣等感を抱いていることを知っているのはぼんじゅうるだけだ。城に仕えていたおんりーも知っているのかもしれないが、あの通り口数は少なさそうだし、こういう時に助け舟を出してくれるのがぼんじゅうるだったのはとても嬉しかった。
「変なことってなんですか、ぼんさん」
 そんなに変じゃないのに、とドズルさんは言ったが笑っているので半分冗談なのだと思う。それに、私がどんどん喋らなくなって心配してくれているドズルさんだって何も悪くない。私は、すみませんとだけ言って笑ってみせた。ちゃんと笑えているといいな。
「ねぇねぇ見て見て!」
 洞窟へ向かう途中、おらふの明るい声が飛び込んだ。なんだろうと顔を上げると、おらふの周りにいた蜂たちが、宙を飛び回りながらハートの形を作っていたのだ。
「わ、すごい……!」
 私が素直な感想を漏らすと、おらふは得意気に笑った。
「へへっ、ちょっとやってみたら出来たんよ」
「おらふくん、遊んでる?」
「遊んでないですよ〜」
 これも調教の一つです、なんて言うおらふとドズルの会話に私が思わず笑ってしまうと、みんなも一斉に笑い合って。こんなに楽しく笑ったのが久々過ぎて私でも驚いた程だ。
 横では静かにおんりーが笑みを返してくれた。みんな、私を心配してくれているんだ。
 私は大巫女の杖を胸に抱いた。まだ元の形には戻っていないけれど、いつかはこの杖に相応しい巫女になりたい。私は、ようやくここでそう思うようになった。
「こちらです」
 少しして、道案内の警備兵がとある洞窟の前で立ち止まった。皆の顔が真剣そのものになる。私たちはこれから、骨モンスターが現れた原因を追求しに行くのだ。
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