第22章 骨のモンスターのナゾ
「おや、貴方は……どこかで見たことがあるような」
私ははっとしてつい大巫女の杖を後ろに隠してしまう。隠したところで私より長い杖が、隠し切れる訳がないのだが。
「彼女の杖、一度見たことがありますよ」警備隊の中にいる誰かが声をあげた。「それは大巫女の杖ですよ。この独特な色合いと装飾の位置、間違いないです」
と言われてもなお、私は口を固く閉ざして隊長から目を逸らし続けた。だが話はどんどんと進んでしまった。
「おお、それは失礼しました、大巫女の国の王家の方ですね?」と隊長はその場で片膝をついた。「ということは、そこにいらっしゃるのはもしや勇者様御一行では? ここにいらっしゃるということは、世界を救う旅の途中だったのでしょうか?」
「あ、の……私は……」
「すみません、ここは勇者の俺が話します」
私が言いづらそうにしているのが伝わったのか、すかさずぼんじゅうるが割り込んでくれた。隊長は私の様子を気にせずに話し続けた。
「分かりました、勇者様。では良かったら、あのモンスターたちの根城の調査に行ってくれませんか? 今人手不足でして……兵の調整をしたら、あとで向かわせますので」
「おし、分かりました」
隊長のお願いになんの躊躇いもなく引き受けたぼんじゅうる。他の仲間がどう反応していたのか、俯いていた私には分からない。
そうして、骨モンスターの根城があるだろう洞窟の案内までされ、途中で断ることが難しくなったところで、ドズルが声を掛けてきた。