第21章 門前の戦い
「なんなんや、こいつら! どんどん湧いてくるやん!」
サンディ王国の門の前では、やはりおらふとその周りの生き物たちが、次々と襲ってくる謎のモンスターと戦っていた。
それは、私も見たことのないモンスターだった。形は人の姿をしているのだが、見た目は骨だけの状態で、どうやって動いているのか、手にしている剣や弓矢で次々と攻撃をしてきていた。
「おらふくん!」
ぼんじゅうるの大きな声で、敵の注意がおらふたちからこちらへ向いた。私はぎょっとして半歩下がってしまったが、隙を見せた敵にすかさずおらふの指示で蜂の群れが飛びついて骨のモンスターを倒していった。
すぐにはおんりーもガンナーを構えて骨のモンスターたちを一蹴していく。おんりーのガンナーの弾は爆発するものもあるようで、平和だった門の前は、あっという間に戦場と化した。
「ユメさん、大丈夫?」
と声を掛けてこちらに手を伸ばしてきたのはドズル。私はいつの間にか腰を抜かして座り込んでしまっていたらしい。私はドズルの手を取った。
「すみません、びっくりしちゃって……」
ドズルに力強く引っ張られて私は立ち上がり、砂埃を払う。そして私は、大巫女の杖をずっと握っていた右手から手汗が滲んでいることに気がついた。
「あ、危ない!」
直後、誰かが叫んだ。
私が振り返った瞬間、目の前に骨のモンスターが立っていて今まさに剣を振り下ろそうとしているところだった。思わぬ状況に私は声も上げられず、動けなかった。真後ろにいるドズルが何かしら構えたような気はしたが、間に合うかは怪しかった。他の三人は距離が離れていたし、私は痛みを覚悟した……。