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導きの巫女と勇者サマ御一行[dzl]

第20章 道場


「オッス!」
 道場に入る前から聞こえてはいたが、中に入るなりその掛け声は大きくなって聞こえた。
 見ると左右に整列した男性たちが、オッス! と言いながら拳を突き出している。それが体の鍛え方なのだろう。掛け声と汗臭さが充満していた。
 その奥に、半裸の男性が立っていた。その男性は誰よりも筋骨隆々で、近くにいる細身の男性と会話している。話の内容から、どうやら師匠と門下生といった感じらしい。
「ドズルさん」
「やっぱドズさんじゃん!」
 私が何か言うより早く、おんりーとぼんじゅうるは奥にいる半裸の男性を呼んだ。声に反応してその男性がこちらを見、おお、久しぶりだねとニカリと笑った。
「二人してどうしたの? 二人とも門下生になりに来たの?」
 とドズルさんが聞いて私の方を向く。私はお辞儀をした。
「初めまして、ユメです」
「初めまして、僕はドズル」と半裸の男性は名乗った。「ユメって名前、どっかで聞いたことがあるような……」
「大巫女王国の次期女王の方です」
 とおんりーは淀みなくそう言い切った。王国の次期女王なんて絶対呼ばれることはないと思っていたから、私は心底驚いた。
「えっ、そうなの?! これはこれは王女様、こんなところまで……」
 とドズルが恭しく跪くものだから私は両手を振った。
「そんなにすごいことじゃないです。それに私は、多分女王にはならないので……」
「え、どういうこと?」
「それは……」
「ドズル師匠!!」
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