第19章 砂漠の国
サンディには昼過ぎくらいに到着した。
旅に不慣れな私を連れているこの一行はもっと時間が掛かるものかと思ったが、おんりーやおらふのサポートがあってかなり楽に進めたのだ。
昼になるにつれてぼんじゅうるも元気が出て来て、よく喋るようになった。といってもほとんどがおんりーとぼんじゅうるのやり取りで、その横でおらふがケラケラと楽しそうに笑うものだから私もつられて笑って過ごせた。彼らとの旅は、本当に楽しかった。
サンディに向かうにつれ、豊かだった森や緑は途切れて次第に砂だらけになった先にその国が見えてきた。レンガ造りの建物が多い大巫女の国とは違い、砂系統を建材に住居等が建ち並ぶサンディは、遠目からだとただの砂山のように見えたくらいだった。
ただ、おらふは、周りにいる蜂や蜘蛛、そして大きなオオカミは普通の人が見るとびっくりするからと国の外で待っているとのことだった。みんなを置いておけないとのことで、おらふの優しさが出ている気がした。
なので私たちは、馬の面倒もおらふに任せてサンディ王国の門をくぐった。入国審査もいらないこの国は様々な国の中継地点のようなところにあり、厳しい砂漠の中にあるサンディはオアシスのような存在だった。なのでこの国はどこからも重宝されており、また警備の力も強いとのことで治安がいいと有名な王国なのだ。