第18章 蜂の仲間
翌朝。
おんりーが簡素な藁のベットを用意してくれて、私たちは野営で夜を明かした。
本当は交代しながら火の番をしてモンスターが近付かないようにするのが野営の鉄則のようだが、私はうっかり寝てしまっておんりーにほとんどの火の番を任せてしまっていた。
ぼんじゅうるも火の番をしていたみたいで、私が起きた頃にはうつらうつらとしていた。なので私が馬を引くから乗っていてくれと言うと、最初は遠慮したが、すぐには受け入れてくれた。
「あとはおらふさんを見かけないのですが……」
そこにいたおんりーにおらふのことを訊ねると、近場で綺麗な水場があったから水筒に補給しに行ってくれているようだ。その間ずっと、ぼんじゅうるは馬の背中でうとうとしていた。
その姿を見ると、やはり素直に城に戻り、馬車に乗せてもらえばよかったな、と後悔してしまう。
「おーい、みんな〜!」
その時、ひときわ明るい声が空気を割いた。見るとおらふが蜂に追われながらこっちにやって来ていて……?
「ちょ、ちょっとおらふさん、蜂が……!」
悲鳴を上げそうになる口元を両手で抑えながら私は言った。おらふは立ち止まり、後ろにいる蜂を振り向いたが、特段焦った様子なくこう言うのだ。
「ああ、この蜂さんは僕のお友達なんよ」とおらふは話始める。「さっき水汲みに行ったら、蜂の巣があって。話している内に仲良くなったから、僕らの旅について来てくれるんだって」
「蜂が……」
蜂はよく見ると何匹もおらふの周りに飛んではどこかに隠れてを繰り返していた。獣使いは蜂とも仲良くなれるらしい。